序文・第4回
職場で怒鳴る声が聞こえるとき、
たいていの場合、
人が悪いわけではありません。
多くは、
状況が見えていないだけです。
何が起きているのか分からない。
どこが詰まっているのか分からない。
このまま進んで大丈夫なのか分からない。
分からない状態が続くと、
人は不安になります。
不安が強くなると、
声が大きくなる。
それが、
怒鳴る、という行為の正体だと思っています。
AIが入ると、
まず起きる変化は、
判断が楽になることです。
予約の状況。
現場の負荷。
これから起きそうなこと。
それらが、
見えるようになる。
すると、
「なぜ今こうなっているのか」
「この先どうなりそうか」を、
落ち着いて考えられる。
怒鳴る必要があるのは、
考える余裕がないときです。
考える余裕があれば、
怒鳴らなくて済む。
AIは、
その余裕をつくります。
AIは、
正解を出す道具ではありません。
判断材料を、
並べる道具です。
判断材料が並べば、
人は話せる。
話せば、
選択肢が生まれる。
選択肢があれば、
命令する必要はなくなります。
怒鳴らなくてよくなるのは、
人が優しくなったからではありません。
状況が、
整理されたからです。
ナビゲーター〔航海人〕は、
怒鳴らない人ではありません。
怒鳴らなくて済む状況を、
先につくる役割です。
現場の状態を見て、
負荷を知り、
先の天気を確認する。
無理が起きそうなら、
進路を少し変える。
それだけで、
大声は必要なくなります。
怒鳴らない組織は、
甘い組織ではありません。
むしろ、
判断ができている組織です。
AIがあると、
怒鳴らなくてよくなる。
それは、
人を管理するためではなく、
人が考えるための
余白が生まれるからです。
ナビゲーター〔航海人〕は、
その余白を、
静かに守りつづけます。
舵は取らない。
号令もしない。
ただ、
怒鳴らなくても航海できる海を、
整えつづける。
ナビゲーター
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