第1話|すべては、予約の瞬間に決まっている
自動配車システムというと、
多くの人は「便利な機能」や「AIによる効率化」を思い浮かべます。
しかし、当社の自動配車システムは、
そうした文脈で語られるものではありません。
それは、教習所の事実を、正しい順番で発生させるための仕組みです。
自動配車は、30年前から動き続けている
当社では、1997年に自動配車システムの開発を開始し、
1998年の本稼働時から、現在と同じ考え方で運用してきました。
本稼働したその時点で、すでに
自動配車のための予約制限
は実現していました。
これは後から付け足した機能ではなく、
最初から前提として組み込まれていた設計です。
そしてこの考え方は、
これからもD-SAPに、そのまま受け継がれます。
「予約できる」とは、どういうことか
当社のシステムにおいて、
予約できる =
自動配車が成立する可能性がある
という定義は、30年近く一度も変わっていません。
予約を先に受け、
あとから人が無理をして帳尻を合わせる。
そのような運用は、
最初から想定していません。
枠だけで管理すると、必ず破綻する
ある日、ある時間帯に
「3つの枠」があるとします。
その時間帯には、
指導員が3人勤務しています。
枠だけを見れば、
3人分予約できそうに見えます。
しかし、その3人が
全員、普通車の資格しか持っていなかった場合、
大型の教習は成立しません。
枠は空いている。
指導員も出勤している。
それでも、教習はできない。
前日に発生する「配車の準備」
多くの教習所では、
- 予約は一旦受ける
- 前日になってから
事務員が配車を調整する
という運用が行われています。
この前日の調整作業を、
現場では「配車の準備」と呼びます。
配車の準備では、
- 指導員の資格を確認する
- 足りなければ、休みの指導員に出勤をお願いする
- それでも無理なら、教習生に予約変更をお願いする
という対応が日常的に行われます。
それは、今の時代には合わない
かつては、
「予約は取ってあげる」
という教習所が強い時代でした。
しかし今は、
- 前日や当日に呼び出される指導員
- 直前で予定を変えさせられる教習生
- それを調整し続ける事務員
こうした運用は、
人に無理を強いる仕組みになっています。
もはや、
時代に合っているとは言えません。
教習生の状態は、さらに複雑
現実の教習では、
- みきわめ
- 特別な教習
- 特定条件付きの教習
など、
特別な資格が必要な状態が数多く存在します。
これらを前日に人が手作業で修正する運用は、
すでに限界に来ています。
当社の設計は、最初から違う
当社の自動配車システムでは、
予約する瞬間に、
配車と同じチェックを行う
という設計を、
1998年の本稼働時から採用しています。
現在のD-SAPでは、
この判断を AIが自動で行います。
AIは、
・指導員の勤務と資格
・教習生の教習順番や状態
・車両や設備の利用状況
といった条件を総合的に照合し、
成立しない予約を事前に排除します。
そのため、
- 資格が合わない予約は、そもそも入らない
- 前日の「配車の準備」は不要
- 無理な指導員の工面も発生しない
予約の自動最適化という考え方
当社の自動配車では、
予約時に指導員まで決めたうえで配車チェックを行います。
すると、
- 特定の指導員に予約が偏る
- 人気の指導員の予約が取りづらくなる
という別の問題が生まれます。
そこで必要になるのが、
予約の自動最適化です。
予約の優先順位
当社のシステムでは、
予約に明確な優先順位を設けています。
- 指名予約
- 担当予約
- フリー予約
この順番は、30年前から変わっていません。
指名予約と担当予約の最適化
指名予約は、
その指導員でなければ成立しない予約です。
もし、指名した指導員の枠に
すでにフリー予約が入っていた場合、
指名予約を優先し、
元々のフリー予約を
他の指導員へ自動で移動
します。
担当予約でも同じです。
- 担当に空きがあれば、そのまま割り当て
- 担当の枠にフリー予約が入っていた場合は、
フリー予約を自動で他の指導員へ移動
これらはすべて、
AIが全体の稼働バランスを考慮して自動で判断・処理します。
フリー予約は「仮置き」
フリー予約は、
- 指名予約
- 担当予約
がすでに入っている場合、
空きとは認識されません。
また、フリー予約は、
- 一旦、空きがある指導員に割り当て
- 予約全体の最適化により、指導員が変更される
という前提で処理されます。
つまりフリー予約は、
確定ではなく、仮置きです。
なぜ、指導員をすぐに見せないのか
この仕組みの結果として、
教習生は、予約時点では
指導員が誰か分からない
ようになっています。
教習生は、
- 教習所に来て
- 配車パソコンで配車処理(チェックイン)を行い
その時点で、
最終的に確定した指導員を知ります。
これは不親切なのではありません。
予約全体を最適化し、
無理のない配車を実現するための設計です。
デジタル教習原簿につながる理由
この自動配車の仕組みがあるからこそ、
デジタル教習原簿は、
事後入力のワープロにならなかった
教習の事実は、
- 予約時に成立し
- 教習で実行され
- 原簿として自然に残る
書くのではなく、積み上がる。
第1話のまとめ
自動配車は、
高度な機能ではありません。
教習所を無理なく回し続けるための前提条件であり、
人の調整作業を減らし、
生産性を安定させるための基盤です。
そしてこの前提は、
30年前から一度も変わらず、
これからもD-SAPに受け継がれていきます。
第2話|なぜ他社システムは、できないのか
第1話では、
当社の自動配車が
**「予約の瞬間に、配車を成立させる設計」**であることを説明しました。
では、ここで自然に浮かぶ疑問があります。
なぜ、同じことを
他社の教習所システムは実現できないのか。
理由は、技術力の差ではありません。
考え方と前提条件の違いです。
理由①
「配車の準備」は、人がやるものだと思われている
多くの教習所では、
前日に事務員が行う
配車の準備
が、長年当たり前の業務として存在してきました。
その結果、
- 配車は人が調整するもの
- システムは予約を取れれば十分
という意識が、
現場にも、システムメーカーにも定着しました。
つまり、
「予約時に配車チェックをしたい」
という要望そのものが、
メーカーに届いていなかったのです。
この前提のままでは、
AIを使う以前に、
最適化すべき対象そのものが
システムの外に置かれたままになります。
理由②
予約は「未来」、配車チェックは「予測」になる
予約は、多くの場合、
- 1ヶ月先
- 2ヶ月先
の教習を対象に行われます。
この時点で、
配車チェックをしようとすると、
- 指導員の勤務
- 資格
- 教習生の状態
は、すべて 未来の情報になります。
つまり、
配車チェックは「確定処理」ではなく
予測処理になります。
この予測ロジックは、
非常に複雑です。
明日の予約なら、簡単
例えば、
- 明日の予約
- 直近数日の予約
であれば、
- 勤務表はほぼ確定している
- 教習生の状態も把握できている
そのため、
配車チェックは比較的簡単です。
しかし、
1ヶ月先、2ヶ月先の予約で
同じことをやろうとするとどうなるか。
理由③
予約時点までに、情報を揃えておく必要がある
予約時に配車チェックを行うには、
- 指導員の勤務予定
- 指導員の資格
- 教習生の状態(みきわめ・特別教習など)
- 車両・装置の条件
- 料金条件
といった情報を、
予約する時点までに、すべて登録しておく必要があります。
これは、
- 面倒
- 手間がかかる
- 現場に負担がかかる
と感じられやすい作業です。
なぜ、そこまでやらなかったのか
答えはシンプルです。
前日の配車準備は、
事務員がやってくれていたから。
人が何とかしてくれるのであれば、
- システムで厳密にやる必要はない
- 複雑な予測ロジックを作る必要もない
必要性も、ニーズも、存在しなかったのです。
結果として、
AIが活躍する余地も、
最初から生まれていませんでした。
結果として起きたこと
その結果、
- 予約と配車は分離された
- 配車の矛盾は前日に人が解消する
- システムは「枠」を管理するだけ
という構造が、
業界全体に固定化されました。
この構造では、
どれだけ高性能なAIを導入しても、
生産性の本質的な改善にはつながりません。
当社は、前提を逆にした
当社が最初に決めたのは、
前日の配車準備を、
仕組みとして無くす
という前提でした。
そのために、
- 未来の勤務を前提に設計し
- 予測ロジックを組み込み
- 情報を早い段階で揃える
という、
遠回りに見える設計を選びました。
だから、簡単には真似できない
他社が同じことをやろうとすると、
- 業務フローを変える必要がある
- 事務員の役割を見直す必要がある
- 予約の考え方そのものを変える必要がある
単なる機能追加では済みません。
第2話のまとめ
他社システムが
「予約時に配車チェックできない」のは、
- 技術がないからではありません
- 努力が足りないからでもありません
必要だと思われてこなかったからです。
そしてその必要性を、
30年前に正面から引き受けたのが、
当社の自動配車システムでした。
この前提の違いが、
今もなお、
埋まらない差になっています。
第3話|「配車の準備」が仕事でなくなると、何が起きるか
多くの教習所では、
前日に行われる
配車の準備
が、業務の中でも特に負荷の高い仕事になっています。
これは、
単なる事務作業ではありません。
「配車の準備」は、スーパー事務員の仕事
他社システムにおける配車の準備は、
- 指導員の勤務内容
- 指導員の資格
- 教習生の状態
- 教習の進み具合
これらをすべて頭に入れている人でなければできません。
いわば、
スーパー事務員
の仕事です。
やっているのは、予約の組み替えだけではない
配車の準備は、
- 予約の組み替え
- 空きの調整
といった作業だけでは終わりません。
現実には、
- 指導員が足りない
- 資格が合わない
- 教習が成立しない
といった問題が、
必ず発生します。
その結果、
- 有給休暇の指導員に出勤をお願いする
- 教習生に連絡し、予約変更をお願いする
という対応が必要になります。
成立させているのは、システムではない
この状態を正確に言うと、
教習を成立させているのは、
システムではなく、人
です。
しかも、
- 毎日
- 当たり前のように
- 誰にも評価されずに
行われています。
この属人的な調整作業こそが、
教習所の生産性を
静かに押し下げてきた要因でもあります。
この仕事が無くなると、何が起きるか
当社の自動配車システムでは、
前日の配車の準備
そのものが存在しません。
予約時点で配車が成立しているため、
前日に調整する必要がないからです。
さらに、
予約やシフトの見直しが必要な場合も、
AIが条件を整理し、
人が判断すべき点だけを残します。
その結果、
次のような変化が起きます。
① 事務所に「余裕」が生まれる
毎日、前提になっていた
- 明日の配車、大丈夫か
- 何か抜けていないか
という緊張がなくなります。
事務員は、
- 電話に追われる
- 調整に追われる
状態から解放されます。
これは、
単なる時間短縮ではなく、
業務の質そのものが変わるという変化です。
② スーパー事務員に依存しなくなる
特定の人しかできない仕事がなくなると、
- 引き継ぎができる
- 休める
- 辞められても回る
組織になります。
これは、
AIによって判断の土台が共有され、
属人化が解消されるということです。
③ 指導員が、予定どおり休める
前日に、
- 「明日出られませんか?」
- 「急ですが、お願いできませんか?」
と連絡が入ることがなくなります。
有給休暇は、
本来の意味どおり
休むためのものになります。
④ 教習生の予定が、崩れない
教習生に、
- 直前で予定変更をお願いする
- 電話で謝り続ける
必要もなくなります。
教習生にとっても、
予約した教習は、予定どおり行われる
という、
当たり前の安心が戻ります。
本当に起きている変化
「配車の準備」が無くなることで起きるのは、
効率化ではありません。
- 余裕
- 信頼
- 安定
です。
第3話のまとめ
前日の配車の準備は、
長年、
人の努力で支えられてきました。
しかしそれは、
必要な仕事
ではなく
無くせなかった仕事
です。
当社の自動配車システムは、
この仕事を
仕組みとして発生させない設計を選びました。
その結果、
- 事務員が疲弊しない
- 指導員が無理をしない
- 教習生の予定が守られる
教習所の「日常」が、
静かに変わります。
第4話|予約の自動最適化
第1話から第3話までで説明してきたとおり、
当社の自動配車システムでは、
予約時に、配車と同じチェックを行う
という設計を採用しています。
その結果、
ほとんどのケースで、配車は最初から成立します。
それでも、稀に起きる例外
教習所の現場では、
どうしても次のようなことが起きます。
- 教習生の状態が変わる
- みきわめの結果が想定と違う
- 教習の進み具合が前後する
- 予定していた条件が変わる
これらは、
予約時点では正しかった前提が、
前日までに変わってしまうケースです。
頻繁に起きるわけではありませんが、
ゼロにはできません。
人がやるか、仕組みでやるか
従来のシステムでは、
このズレをすべて
前日の配車準備
= スーパー事務員の長時間作業
で解消してきました。
当社は、
ここでも前提を変えました。
「予約の自動最適化」という考え方
当社のシステムには、
予約の自動最適化
という仕組みがあります。
これは、
- ワンクリックで
- その時点での最新条件をもとに
- 予約全体を自動で組み直す
機能です。
AIが、
指導員の勤務・資格、
教習生の状態や教習順番、
車両・装置の利用状況などを整理し、
今この瞬間に最も無理のない状態を計算します。
何回やってもいい
この予約最適化は、
- 1回しかできない
- 慎重にやらなければいけない
ものではありません。
何回やっても大丈夫
です。
ボタンをクリックした
その時点で、最適な予約状態になります。
事務員が、
- 頭の中で全体を組み立て直す
- 影響範囲を想像する
必要はありません。
エラーになりそうな予約を、自動で見つける
予約最適化を行うと、
- 自動で組み替えられる予約
- 自動では解決できない予約
が、はっきり分かれます。
当社のシステムでは、
配車にエラーになりそうな予約
を自動で検出し、
配車一覧画面に表示します。
人がやるべき仕事だけが残る
この画面に表示されるエラーは、
- 単なる予約の入れ替え
- 指導員の自動調整
では解決できないものです。
例えば、
- 根本的に条件が足りない
- 教習生と相談が必要
- 運用判断が必要
こうしたケースだけが、
人の判断として残ります。
何が変わったのか
予約の自動最適化によって、
- スーパー事務員が
長時間かけて行っていた作業 - 頭の中だけで成立していた調整
は、不要になります。
人がやるのは、
本当に、人が判断すべきことだけ
になります。
第4話のまとめ
予約の自動最適化は、
- 便利な機能
- 高度なAI
ではありません。
人が無理をしてやっていた仕事を、
仕組みに戻しただけです。
その結果、
- 配車は安定し
- 事務所に余裕が生まれ
- 属人化が消える
そして、
スーパー事務員に頼らなくても
教習所が回るようになります。
第5話|人が判断すべき仕事だけが残った
当社の自動配車システムが、
「事前の配車」を必要としない設計になっているのには、
はっきりとした理由があります。
それは、
30年前の教習所システムが抱えていた
ある“当たり前”への違和感でした。
予約は、仮だった
30年前、
オフコン時代の教習所システムには
インターネット予約はありませんでした。
予約システムは存在していましたが、
その実態は、
予約というより、
仮予約に近いもの
でした。
なぜなら、
- 前日になって変更の連絡が来る
- それが当たり前
- 誰も疑問に思っていない
そんな時代だったからです。
私たちが、変えたかったこと
当社が変えたかったのは、
便利さではありません。
予約を、約束にしたい
という、
ごく当たり前のことでした。
そのためには、
- 予約を取ってから調整する
- 人が無理をして成立させる
という考え方を、
根本からやめる必要がありました。
厳しいチェックは、優しさだった
予約時に、
配車と同じ厳しいチェックを行う。
一見すると、
- 融通が利かない
- 厳しいシステム
に見えるかもしれません。
しかしこれは、
後で人を困らせないための厳しさ
です。
AIによるチェックは、
人の代わりに判断を奪うものではなく、
判断の前提条件を確実に揃えるためのものです。
「事前の配車」が不要になった理由
予約時点で、
- 配車が成立している
- 条件が揃っている
からこそ、
前日にやるべき
「配車の準備」が無くなる
のです。
調整が必要なケースだけを、
予約の自動最適化で洗い出し、
それでも解決できないものだけが残る。
残った仕事は、判断だけ
その結果、
事務員の仕事は、
- 機械的な組み替え
- 無理な調整
ではなく、
教習生と相談し、
納得してもらうための調整
だけになりました。
ここは、
人でなければできない仕事です。
自動化しなかった仕事
当社のシステムは、
- すべてを自動化しよう
- 人を不要にしよう
とはしていません。
むしろ、
人が判断すべき仕事を、
最後まで人に残す
ために、
それ以外を仕組みに任せました。
第5話のまとめ
予約時に、
あえて厳しくチェックすることで、
- 予約は仮ではなくなり
- 約束になり
- 事前の配車は不要になった
そして、
人の仕事は、
判断すべきことだけ
が、静かに残りました。
これが、
30年前から変わらない
当社の自動配車の思想です。
第6話|自動化の境界線を、どこに引いたか
ここまで、
当社の自動配車システムが、
- どこまで自動化しているか
- なぜそこまで自動化したか
を説明してきました。
では、最後に残る問いがあります。
なぜ、すべてを自動化しなかったのか。
当社は、予約時の最適化を「制限」した
当社のシステムには、
予約の自動最適化という仕組みがあります。
しかし、この最適化は、
あえて制限しています。
その理由は明確です。
教習生に、事前に相談すべきことまで
自動化すべきではない
と考えたからです。
AIによる最適化は、
万能であれば良いわけではありません。
自動化しなかったもの①
予約時間の変更
予約時間の変更は、
- 教習生の生活
- 仕事や学校の予定
に、直接影響します。
システムの都合で、
- 勝手に時間が変わる
- 知らないうちにずれている
そんな予約は、
約束とは言えません。
そのため、
予約時間の変更は、
自動化しませんでした。
自動化しなかったもの②
指名した指導員からの変更
指名予約は、
- 教習生が理由を持って選んだ
- 信頼を前提にした
予約です。
これを、
- システムの最適化
- 効率のため
という理由で
無断で変更することはしません。
指名の変更は、
必ず事前に相談すべきことだと
考えています。
自動化しなかったもの③
教習計画(教習順番)の変更
教習計画、
すなわち教習の順番は、
- 警察に事前に届け出ている
- 教習所が守るべきルール
です。
この計画を、
システムが勝手に組み替える。
それは、
自動化ではなく、違反
になります。
そのため、
教習計画を変更するような自動化は、
最初から行っていません。
境界線の引き方
当社が引いた
自動化の境界線は、
とてもシンプルです。
人に説明が必要なものは、自動化しない。
- 教習生に説明が必要
- 納得を得る必要がある
- 責任を伴う判断
これらは、
最後まで人の仕事として残しました。
自動化したのは、事実と計算だけ
逆に、当社が
迷いなく自動化したのは、
- 事実の確認
- 条件の照合
- 計算と最適化
です。
ここに
感情や説明は存在しません。
AIは、
人の代わりに悩むのではなく、
人が悩まなくてよい部分を引き受けています。
第6話のまとめ
当社の自動配車システムは、
- どこまで自動化するか
- どこで止めるか
を、30年前に決めました。
自動化の目的は、
人を減らすことでも
楽をすることでもありません。
人が判断すべき仕事を、
守るためです。
この境界線があるからこそ、
- 予約は約束になり
- 教習は安定し
- 現場は壊れない
これが、
当社がD-SAPに引き継いだ
自動配車の設計思想です。
第7話|自動スケジュール表作成
教習所の予約は、
本来「1回ずつ取るもの」ではありません。
入校から卒業まで、
ひと続きの流れとして存在しています。
その流れを、
最初から最後まで一気に形にするのが、
当社の自動スケジュール表作成機能です。
入校から卒業までを、まとめて作る
自動スケジュール表作成機能では、
- 入校から
- 卒業までの教習予定を
まとめて作成します。
教習生ごとに、
- どの順番で
- どの教習を
- いつ行うか
を、最初に可視化できます。
これは、
行き当たりばったりの予約ではなく、
入校時点で卒業までの見通しを立てるという考え方です。
教習計画どおりに、予約を入れる
この機能では、
教習計画(教習順番)どおりに、
システムが一気に自動で予約を取ります。
ここで重要なのは、
- 勝手に順番を変えない
- 都合の良い順に並べ替えない
という点です。
警察に届け出ている
教習計画を、
そのまま守ります。
AIは、
計画を作り替えるためではなく、
計画を正しく実行するために使われています。
予約の中身は、すべて「本物」
スケジュール表作成で行われる予約は、
- まとめて
- 自動で
行われますが、
中身は省略されていません。
予約時には、
画面から、ひとつひとつ予約を取るのと
同じ配車チェック
が、すべて行われます。
そのため、
- 条件を無視した予約
- 後で調整が必要な予約
は入りません。
手動予約と、結果は同じ
自動スケジュール表で作られた予約は、
事務員が
ひとつひとつ手動で予約した場合と
まったく同じ結果
になります。
違うのは、
- 人がやるか
- システムが一気にやるか
だけです。
これにより、
時間のかかる計画作業を短縮しつつ、
結果の品質は落とさない、
という生産性向上が実現します。
スケジュールは、作り直せなければ意味がない
教習は、
計画どおりに進まないこともあります。
例えば、
- インフルエンザに感染して
- 数日、教習を休まざるを得なかった
そんな教習生も、
現実には必ず出てきます。
スケジュール再作成という考え方
当社のシステムでは、
スケジュールの再作成が可能です。
スケジュールを作り直したい
開始日を指定するだけで、
その日以降の予約を、
自動で組み直します。
すでに終わった教習には触れず、
必要な部分だけを、
自動で調整します。
すでに終わった教習には触れず、
必要な部分だけを、
AIが条件を整理しながら調整します。
「全部やり直し」ではない
この仕組みは、
- 最初から全部作り直す
- 人が一件ずつ変更する
ものではありません。
予定が変わった部分だけを、
仕組みでやる
という考え方です。
人の仕事は、判断だけ残る
スケジュール再作成によって、
- 長時間の組み直し
- 全体を見渡しながらの調整
は不要になります。
それでも、
- 教習生と相談が必要なこと
- 個別の事情への対応
は、人が判断します。
合宿教習では、必須の機能
合宿を行っている教習所では、
- 入校日が決まっている
- 卒業日もほぼ決まっている
ため、
この機能は必須です。
途中で崩れない、
そして崩れても立て直せる
スケジュールが必要だからです。
合宿をしない教習所でも使われている
この機能は、
合宿教習専用ではありません。
- 短期プラン
- ハイスピードプラン
といった、
早く卒業したい教習生向けのプラン
でも、
広く利用されています。
第7話のまとめ
自動スケジュール表作成は、
- 予約を楽にするための機能
- まとめて入れるための機能
ではありません。
入校から卒業までの約束を、
最初に作り、
必要な時に、壊さず直すための仕組みです。
そしてこの機能もまた、
- 予約時に配車チェックを行う
- 教習計画を守る
- 人が判断すべきところは残す
という、
当社の自動配車システムの思想の上に成り立っています。
第8話|マイスケジュール
自動スケジュール表作成の前に、
もう一つ、重要な仕組みがあります。
それが、
マイスケジュールです。
スケジュールを作る前に、本人の予定を知る
マイスケジュールは、
教習生が、
自分の予定を
自分で登録するための機能
です。
教習生は、
自分のスマホから、
- 来校できない日
- 来校できる日
- 来校できる日の、来校可能な時間帯
を、あらかじめ登録します。
「空いている枠」から選ばせない
従来の予約では、
- 教習所が用意した枠の中から
- 教習生が選ぶ
という形が一般的でした。
マイスケジュールは、
この発想を逆にします。
先に、教習生の生活がある
という前提に立ちます。
自動スケジュール表は、マイスケジュールが前提
自動スケジュール表作成では、
マイスケジュールで
「来校できる」と登録された日だけ
を対象に、
予約を取ります。
- 来校できない日は、最初から除外
- 来校できる日でも、時間帯を超えた予約は入らない
そのため、
作られるスケジュールは、
机上の計画ではありません。
完全に、オーダーメイドの予約
この仕組みによって、
- 教習所の都合
- 枠の空き
ではなく、
教習生一人ひとりの生活に合わせた
教習スケジュール
が作られます。
同じプランでも、
同じスケジュールになることはありません。
AIは、
空き枠を押し付けるのではなく、
生活の制約の中で成立する選択肢だけを整理します。
教習生が「守れる」スケジュール
マイスケジュールを使うことで、
- 行けない日に予約が入らない
- 無理な時間帯に教習が入らない
結果として、
教習生自身が
守れるスケジュール
になります。
これは、
欠席やキャンセルを減らし、
教習の継続率を高めることにもつながります。
事務員が聞かなくてよくなる
この機能があることで、
- いつ来られますか
- この日はどうですか
といった確認を、
事務員が何度も行う必要がなくなります。
予定は、
教習生自身が、
自分の責任で登録する
からです。
事務所の確認作業が減ることで、
受付業務全体の生産性も向上します。
第8話のまとめ
マイスケジュールは、
- 便利な入力機能
- 予約の前処理
ではありません。
教習の主語を、
教習所から教習生に戻す仕組みです。
このマイスケジュールがあるからこそ、
- 自動スケジュール表作成は現実的になり
- 予約は約束になり
- 教習は続けやすくなる
自動配車システムは、
ここでも一貫して、
人の生活を壊さない
という境界線を守っています。
第9話|スマホ配車
教習生の認識方法は、
これまで何度も進化してきました。
- 磁気カード
- リライトカード
- ICカード
- バーコード
紙の教習原簿の時代には、
原簿検索機から紙の教習原簿を取り出す必要があり、
これらのカードと
教習原簿を連動させて運用していました。
カード時代の「当たり前」
磁気カードやICカードの時代は、
- 教習生がカードを忘れる
- カードが折れる
- 磁気が弱くなる
といった理由で、
配車手続き(チェックイン)ができない
ことが、日常的に起きていました。
そのたびに、
- 本人確認
- 原簿確認
- 再発行や手動対応
が必要になり、
事務員の仕事が増えていきました。
紙を出す配車処理の限界
以前は、配車処理を行うと、
配車券
という紙を印刷していました。
- レシートプリンタ
- レーザープリンタ
から紙を出します。
しかし現場では、
- 用紙切れ
- トナー切れ
- 朝の電源入れ忘れ
- 停電後の電源未投入
などが重なり、
配車場所がパニック状態になることもありました。
これは、
現場の努力では解決できない構造的な問題でした。
スマホ配車という発想
現在のスマホ配車では、
教習生のスマホに表示された
バーコードを
リーダーにかざすだけ
で、配車処理が完了します。
教習開始の時間、車両の番号、指導員の名前が
自分のスマホの画面に表示されます。
磁気カードやICカードと違い、
スマホは、ほとんどの教習生が必ず身につけています。
そのため、
- 忘れて配車できない
- 再発行が必要
といったトラブルは、
ほぼなくなりました。
紙を出さない配車
スマホ配車では、
- 配車結果が
- リアルタイムで
- スマホの画面に
- 教習開始の時間、車両の番号、指導員の名前
- が表示されます。
紙を印刷する必要はありません。
これにより、
- 用紙切れ
- トナー切れ
- プリンタ故障
といった心配も、
すべてなくなりました。
配車処理が止まらないことは、
そのまま現場の生産性向上につながります。
ETCのような配車体験
スマホ配車は、
高速道路の料金所のETC
のように、
- つまることなく
- 流れるように
配車手続きが進みます。
特に、
- 送迎バス到着後
- 朝の混雑時間帯
でも、
長蛇の列ができなくなりました。
事務員の負担が消える
ペーパーレスは、
- 紙代
- トナー代
を削減するだけではありません。
- プリンタの購入
- メンテナンス
- トラブル対応
そのすべてが不要になります。
「すぐ対応しなければならない」
という事務員の緊張も、
なくなりました。
カードライター時代の苦労
磁気カードやリライトカードでは、
- カードに情報を書き込む
- カードライターを使う
必要がありました。
このカードライターは、
- 数十万円する高価なハードウェア
- 書き込みに時間がかかる
もので、
入校日の忙しさの原因でもありました。
カードの破損や磁気不良による
確認作業や再発行も、
事務員の仕事でした。
ICカードでも残る問題
ICカードも、
- 教習生情報との紐付け登録
- 教習生からカードを預かって作業
が必要でした。
Suicaやnanacoなどのカードを
目の前で預かって登録するため、
- 入校日に長蛇の列
- 事務員は急ぎ作業
という状況が発生していました。
カードを無くしたり、
破損した場合の対応も、
やはり必要でした。
スマホ配車は、登録すらいらない
スマホ配車では、
- 教習原簿アプリで
- 必要な登録を行うだけで
システムと連動します。
事務員は、
何もしません。
スマホのバーコードは、
自動で表示されます。
ここでも、
人がやっていた作業を
仕組みに戻しています。
教習生の体験が変わる
スマホ配車では、
- 自分のスマホをかざす
- その場で
日付
時間
指導員の名前
車の番号
が、画面に表示されます。
最初の頃は、
「えっ、スマホで分かるの?」
と驚く教習生が多いそうです。
第9話のまとめ
スマホ配車は、
- 新しい認証技術
- 流行の仕組み
ではありません。
教習生のストレスをなくし、
事務員の仕事を減らし、
現場を詰まらせないための設計です。
そしてこの仕組みもまた、
- デジタル教習原簿
- 自動配車
- 予約の最適化
すべてが正しくつながっているからこそ、
自然に成立しています。
第10話|配車は、教習所の能力
配車手続きは、
単なる事務作業ではありません。
配車は、教習所そのものの能力です。
配車が、教習所の成果を決める
配車が適切にできれば、
- 教習は無理なく回り
- 教習の効率は上がり
配車が適切にできなければ、
- 無駄な空きが生まれ
- 教習の効率は下がります。
つまり配車は、
売上と利益に直結する、
最も重要な手続き
です。
配車で変わるもの
配車の良し悪しは、
次の点に大きく影響します。
- 指導員の空きを無くす
- 複数教習の枠を増やす
- 複数教習の稼働率を上げる
- ドタキャンの穴を埋める
- 教習生と約束した予約を守る
これらはすべて、
配車システムと、
スーパー事務員の努力
によって、大きく変わります。
配車の歴史を、段階的に見る
ここで一度、
配車の変遷を振り返ってみます。
〔1〕コンピュータが無い時代
- 教習する指導員が
自分で教習予定を確認 - 経験と勘が、すべて
〔2〕コンピュータが導入された時代
- 予約と配車は別物
- 前日に「配車の準備」が必要
- 人が帳尻を合わせる運用
〔3〕予約と配車が一体になった時代
- 予約時に、配車のチェックまで行う
- 事前の配車が不要
- 予約は約束になる
指標が出てくると、戻れなくなる
稼働率や、
複数教習の稼働率といった
数値での評価指標が出てくると、
- 〔1〕や〔2〕のやり方では
対応が難しくなります。
現場の努力だけでは、
限界が見えてくるからです。
ここで初めて、
配車は「感覚」ではなく
「経営指標」として扱われるようになります。
それでも、人の仕事は残る
〔3〕のシステムがあったとしても、
- ドタキャンへの対応
- 稼働率を上げるための
教習生の手配
は、
事務員の仕事として残ります。
システムは、
あくまで土台です。
AIや自動化は、
人の判断を消すためではなく、
判断しやすくするために存在します。
配車は、結果として売上になる
配車は、
- 効率
- 稼働率
- 約束の履行
これらすべての結果として、
売上に直結します。
だからこそ、
配車は軽く扱えません。
配車を整えることは、
そのまま
生産性を整えること
に直結します。
まだ、進化の余地はある
配車は、
完成された分野ではありません。
- もっと無理なく
- もっと分かりやすく
- もっと現場に優しく
する余地は、
まだまだ残っています。
第10話のまとめ
配車は、
- システムの話ではなく
- 事務作業の話でもなく
教習所の経営そのものです。
当社の自動配車システムは、
- 現場の努力を無駄にせず
- 判断すべき仕事を人に残し
- 結果を、売上につなげる
ための土台として、
これからも進化を続けます。