序文・第18回
「複数枠」という言葉に、
抵抗を感じる人がいます。
無理をさせるのではないか。
効率ばかりを、
求めているのではないか。
そう感じるのも、
無理はありません。
けれど、
最初に、
はっきりさせておきます。
複数枠は、
人に無理をさせるための
仕組みではありません。
むしろ、
無理を、
減らすための
仕組みです。
現場では、
こんな声を、
よく聞きます。
「高速教習は、
3人ではなく、
2人がいい。
行きに、ひとり。
行き先で、交代して、
帰りに、ひとり。
その方が、
安全だし、
楽だ。」
この判断は、
一見すると、
とても、現場思いに、見えます。
けれど、
会社の利益。
教習全体の流れ。
そして、
本人の負担。
それらを、
すべて含めて、
本当に、
最適解でしょうか。
高速教習を、
2人にすると、
確かに、
その時間は、
楽かもしれません。
けれど、
同じ時間に、
使える教習コマは、
減ります。
その分、
どこかで、
詰まりが生まれ、
別の時間帯で、
無理が出る。
結果として、
残業が、増え、
休みが、削られる。
楽をしたつもりが、
全体としては、
苦しくなる。
これは、
よくある、構造です。
次に、
こんな声も、あります。
「無線教習は、
危ないから、
やらない方がいい。」
本当に、
そうでしょうか。
無線教習は、
設計と、運用を、
誤れば、
確かに、
危険です。
けれど、
正しく使えば、
指導の質を、
落とさずに、
複数枠を、
成立させる方法です。
危ないのは、
無線そのものではなく、
準備不足や、
無理な計画です。
さらに、
こんな意見も、あります。
「模擬運転装置で、
5人一緒にやるより、
マンツーマンの方が、
上達する。」
感覚としては、
理解できます。
けれど、
それは、
どの段階の、
教習でしょうか。
すべての工程を、
マンツーマンにすると、
教習は、
進みません。
結果として、
教習期間が、延び、
在庫が、増え、
現場が、
詰まります。
詰まった結果、
最後に、
負担を、背負うのは、
指導員自身です。
ここで、
問いたいのは、
「どちらが良いか」
では、ありません。
どこで、
何を使うのが、
最適か。
それを、
感覚や、思い込みではなく、
構造として、
考えたいのです。
指導員の、
善意や、経験が、
結果的に、
長時間労働や、
休み返上を、
生んでいないか。
D-SAP〔デサップ〕は、
この問いを、
現場に、
突きつけたいわけでは、ありません。
判断材料を、
見える形で、
置きたいのです。
複数枠は、
楽をするためでも、
詰め込むためでも、ありません。
全体を、
壊さずに、
回すための、
仕組みです。
無理を、しないために、
部分最適ではなく、
全体最適を、見る。
ナビゲーター〔航海人〕は、
現場の感覚を、
否定しません。
ただ、
感覚だけに、
頼らなくても、
済むように、したい。
舵は、
現場が、取る。
D-SAP〔デサップ〕は、
「本当に、無理がないか」を、
静かに、示す。済むように、したい。
ナビゲーター
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