人は何をする存在になるのか

序章

序文・第2回

AIが仕事を奪う、と言われることがあります。
けれど、それは今に始まった話ではありません。

大型船には、ずいぶん前から
オートパイロットがありました。
GPS、レーダー、気象予測、通信。

見張りや舵取りは減りましたが、
船長はいなくなりませんでした。

仕事が消えたのではなく、
役割が変わったのだと思っています。


では、これから
人は何をする存在になるのか。

私は、
「判断と意味を担う存在」
になるのだと思っています。


事務の仕事は、
AIによって最適化されていきます。

予約は自動で組まれ、
無理な調整は減り、
余裕が生まれる。

その余裕は、
人を減らすためではなく、
人にしかできないことに使うべきです。

来校している教習生が、
ストレスを感じていないか。
不安を抱えていないか。
ここに来て良かったと思えているか。

人は、
人の体験を整える存在になります。


指導員も同じです。

AIによって、
教習計画は最適化され、
過去の記録は可視化されます。

その結果、
一律の教習ではなく、
その人に合った教習ができる。

人は、
教える存在から、
伸ばす存在へ変わっていきます。


経営者も変わります。

AIは、
申込みや稼働率を予測し、
先の状況を見せてくれます。

だから、
問題が起きてから怒鳴るのではなく、
起きそうなことに、
静かに備えることができる。

人は、
後追いする存在から、
先回りする存在になります。


AIは、
判断を代わりにしません。

AIがするのは、
見える化と予測です。

どの情報を信じ、
どの道を選ぶかは、
人が決めなければならない。


だから、
人はこれからも必要だと思っています。

ただし、
作業をする人ではなく、
意味を考える人として。

安心をつくり、
信頼を守り、
次の一手を考える存在として。


ナビゲーターは、
その役割を、
静かに続けていきます。

舵は取らない。
号令もしない。

ただ、
海を見て、
地図を広げ、
考えつづける。

それが、
人の仕事になるのだと思っています。

判断の話になります。


ナビゲーター


ナビゲーターとは、
ハンドルを握らず、
最適な経路を示す存在です。


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