序文・第3回
職場の雰囲気が良くなった、
と言われることがあります。
けれど、
雰囲気という言葉は、
どこか曖昧です。
理由が分からないままでは、
再現も、維持もできません。
あとになって、
分かったことがあります。
雰囲気が良い、と言われていた正体は、
**「安心」**でした。
怒鳴られない。
責任を一人で背負わされない。
分からない、と言える。
そういう状態が、
安心なのだと思っています。
安心は、
性格の良い人が集まったから
生まれるものではありません。
まして、
気合や根性で
つくれるものでもない。
安心は、
設計できます。
無理な予約を入れない。
現場の状況を見ずに、
号令をかけない。
判断の理由を、
できるだけ共有する。
それだけで、
人はずいぶん楽になります。
AIが役に立つのは、
この部分です。
AIは、
人を管理するための道具ではありません。
現場の状態や、
これから起きそうなことを、
見えるようにする。
それによって、
無理な判断を減らす。
結果として、
安心が生まれる。
安心があると、
人は前を向きます。
失敗を隠さなくなる。
助けを求められる。
挑戦を続けられる。
逆に、
安心がないと、
正しいことでも、
誰も言わなくなります。
ナビゲーター〔航海人〕は、
安心を与える人ではありません。
安心が生まれる条件を、
整える役割です。
怒鳴らない。
追い込まない。
すぐに答えを出さない。
海の状況を見て、
地図を広げ、
選択肢を並べる。
それだけで、
組織の空気は変わります。
安心は、
偶然できるものではありません。
設計し、
守り、
積み重ねていくものです。
ナビゲーター〔航海人〕は、
その設計を、
静かに続けていきます。
舵は取らない。
号令もしない。
ただ、
安心して航海できる海を、
整えつづける。
ナビゲーター

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